激しい値動きで注目を集めているビットコインをはじめ、イーサリアムやドージコインなど、仮想通貨の人気が高まっています。国内取引所でビットコインなどを買い、取引の対象が多種多様でレバレッジ制限が緩い海外取引所で取引する方も多いことでしょう。
仮想通貨の海外取引所で最近人気が高まっているのがFTX。FTXでは複数口座を作ることが可能で、しかもメールアドレスをわざわざ変えて作ったりする必要もありません。
今回は、FTXについての説明、FTXで複数口座(サブアカウント)を作るシチュエーションから、複数口座(サブアカウント)の作り方(図解あり)、FTXで複数口座を持つことのメリット・デメリットまでまとめていきます。
目次
仮想通貨取引所FTXとは?
2017年から2018年にかけての仮想通貨バブルで一世を風靡したBitmexは日本からのアクセスが出来なくなり、トレーダーたちの取引対象も時を追うごとに多岐にわたってきました。
そんな中で出てきたのがFTXのような、アルトコインなどの現物取引からレバレッジトークン(株で言うダブルインバースや日経ブルETFのようなもの)、ボラティリティトークン(VIXのようなもの)、高いレバレッジがかけられる先物取引、“TRUMP2024”のような政治や社会情勢を予測するPredictionトークン、Gamestopなどの上場株をトークン化したもの、値上がり必至のIEO、そして法定通貨のFXまで、幅広く取り扱う総合的な取引所です。
FTXで複数口座(サブアカウント)を持つシチュエーションは?
そんなFTXで複数口座を持つシチュエーションにはどのようなケースが考えられるでしょうか。
口座をいくつかに分けることによって、目的によって使い分ける
例えば同じ人がBTCの取引もやって、アルトの取引もやって、先物もやって、レバレッジトークンもやって、予測トークンもやっているとします。そんな人にあるあるなのが、色々やりすぎて訳分からなくなってしまうこと。
特に現物と先物を同じ口座でやるとなると、損益のボラティリティが非常に大きくなりがちです。そうなると1つの口座で取引の履歴やポジションを見て投資の振り返りをしたり、判断を下すのが遅くなります。
ポジションを管理する時も、1つの口座にまとめておくと“見えていても目につかない状態”に陥りがちです。そういったことを避けるために口座を分ける事があります。
現物とレバレッジ取引、先物を分けてリスク管理をする
FTXでは最大レバレッジ101倍で先物取引をすることが可能です。レバレッジは3倍~101倍のレンジで自身で調整することが可能です。FTXでは追証こそないものの高いレバレッジをかけた取引にはリスクが伴います。証拠金として預けていたものがすべてなくなる恐れがあるからです。
仮想通貨FX取引所のBybitでは分離マージンという機能があり、1つのアカウント内でも取引に使う資金だけを分離してポジションを持つことが可能でした。これは何が良いかというと、リスクはあるにせよ予めリスクに晒す資金量を限定出来るので資金管理とリスク管理がしやすくなるわけです。
しかしFTXには同様の機能がなく、同じアカウント内で現物取引もレバレッジ取引をやった場合には、先物の損失が口座内の資産すべてに波及する恐れがあります。
そこで複数口座を作ることで、現物口座と先物口座で資金を分けてリスクを分散することができます。これは認められています。
メイン・サブで使い分けて手法を変える
仮想通貨の投資家の方の中には、さまざまな手法を使い分けている場合もあるでしょう。1つの口座で複数の手法を使うと、ポジションの管理や取引の監視・反省がしづらくなります。手法毎に取引やポジションを分けて表示してくれるわけではないからです。
そこで複数口座を使って取引手法を分け、それぞれのポジションを見比べたりすれば取捨選択にもつながりますし、成績の違いによってトレンドの方向を見極めることも出来るでしょう。後から見返すときも複数口座ごとに成績を表示すればより分かりやすくなります。
FTXで複数口座を作る手順
ここからはFTXで複数口座を作る手順を画像を交えて解説していきます。
STEP1:FTXの本口座を開設する
まだ口座を持っていない人は、FTXのサイトにアクセスして、REGISTARをクリックしてSign Upのところにメールアドレスとパスワードを入力しましょう。ロボットでない証明と利用規約に同意して登録完了です。
FTXアカウント登録ページへ(公式サイト)
※上記リンク経由でアカウント登録すると取引手数料永久5%OFF
既に口座を持っている人は、ホームからログインを選択し、メールアドレスとパスワードを入力しましょう。FTXのブラウザ版から複数口座の開設手続きに進むことができます。
STEP2:ホーム画面右上のアドレスをクリック
ログインしたら、ホーム右上にあるアカウントのアドレスが表示されている水色の部分をクリックします。
STEP3:「Subaccounts」をクリック
水色の部分をクリックするとこのようにメニューバーが表示されます。下から2番目のところにあるSubaccountsを押します。
STEP4:「Manage Subaccounts」をクリック
中央にポップアップが出てきて、Select Subaccountと表示されます。
Main Accountの下にManage Subaccountsとありますので、サブアカウント作成にはそこをクリックします。
STEP5:「CREATE SUBACCOUNT」をクリック
するとSubaccountsというページに入ります。
この時はまだサブアカウントを作っていないので表示されるものはありません。そこで、CREATE SUBACCOUNTをクリックします。
STEP6:アカウント名を決めて「CREATE SUBACCOUNT」をクリック
ここでは仮で「aaaa」としておきます。
サブアカウントの名前は自由に設定することが可能です。例えばメインのアカウントは現物ガチホに使うとして、サブアカウントの1つはトレンドフォロー方式でやるとすれば、“Trendfollowing”と名付けて手法別に分かりやすいパッケージを付けることが可能です。
他にも、現物と先物のアカウントを分けたい場合、メインアカウントの他に“Futures”と名付けておけば一目で先物用口座だと分かります。先物のリスク分離のためにサブアカウントを使うことも多いでしょうから、名前は実際に取引する際に便利なように付けましょう。
Predictionトークンで、遊びで使う用の口座ならTRUMPとか付けておくと分かりやすいでしょう。
アカウント名を入力し、最後に「CREATE SUBACCOUNT」をクリックするとサブアカウントが作成完了となります。
STEP7:「Select Account」で新しいサブアカウントを確認
Select AccountのところにMain Accountと並んで、aaaaと出てきます。サブアカウントを使う際はサブアカウントにチェックを入れましょう。
FTXの複数口座(サブアカウント)の使い方
ここでホームに戻ります。右上のブルーの部分を見てみると、メインのアカウントを登録するのに使ったメールアドレスの横にサブアカウントの名前が表示されています。サブアカウントを登録したことが一目で分かるようになっています。
さて、ここからはサブアカウントの実際の動かし方を見ていきましょう。まずは、サブアカウントのウォレットがどのようになっているか。
サブアカウントのウォレットの見方
右上のブルーのメールアドレスが表示されている所をクリックします。メニューバーが表示されるので、一番上のWalletを選択します。
Walletを表示するとMain Accountの横にSubaccountと表示されており、サブアカウントネーム“aaaa”も表示されています。サブアカウントのaaaaを選択すると残高が表示されます。
保有している通貨と量がBalancesに表示されていて、USDでの評価額も表示されています。(BinanceのWalletの仕様に近いです)
今はサブアカウントを作ったばかりなので資産やポジションその他は一切何もない状態となっています。ここからサブアカウントで取引を開始するためには、資金を移動する必要があります。
サブアカウントへの入金方法
再びホームに戻って、メールアドレスのところをクリックしてSubaccountのところを押します。サブアカウントのページの一番下の方に、“Transfer Funds Between Subaccount”とありますので、それを選択します。
Main AccountとSubaccountを選択して、どちらのアカウントからどちらのアカウントへ、いくら資金を移動させるかを決めます。
サブアカウントのポジション確認方法
さて、資金の移動が完了し、取引を始める段階になりました。
保有しているポジションを確認するには、これまでと同じように右上の青いメールアドレスが表示されている所をクリックします。出てきたメニューバーからPositionsを選択します。
“Show positions on all subaccounts”のバーをオンにすることで、すべてのサブアカウントで保有しているポジションを表示することができます。
サブアカウントの注文履歴や取引履歴の確認方法
注文履歴や取引履歴を見る場合は、ホームに戻ってから右上のブルーのメールアドレスの部分をクリックし、メニューバーからSubaccountsをクリックし、サブアカウントの方でログインします。
この場合、aaaaとしてログインしていることになりますので、そのままメニューバーからOrder Historyを見ると注文履歴を見ることが可能です。現在出している注文を表示する場合はView Open Ordersを押します。
Marketは銘柄を、SideはBuyかSellか、Order Typeは指値か成り行きかでフィルターをかけることができます。
取引履歴を見るには、メニューバーからTrade Historyを押すと、Trades(取引履歴)とFunding Payments(支払い金利)を見ることが可能です。
エアドロやリベートはAirdrops&Rebatesから見ることができます。
FTXで複数口座(サブアカウント)を持つメリット
さて、ここまでFTXで複数口座を作るシチュエーションと、実際にサブアカウントを作って運用する方法を見てきました。
ここで複数口座を作るメリットまとめていきましょう。
取引する種類によってサブアカウントと使い分けて、それぞれの取引を分かりやすく出来る
FTXの良い点として、BTCやアルトの現物取引から、先物やレバレッジトークン、Predictionトークン、株やFXまで網羅していることです。
色々な商品を取引するケースも多々あるでしょう。そんな人が1つの口座ですべての銘柄を取引していると混乱してしまうことがあります。現物取引と先物取引を同じ口座でやることによる損益のブレも混乱を招く要因になります。
それを避けるためにサブアカウントを使うのです。メインアカウントとサブアカウントそれぞれで商品を1種類に限定すれば、商品ごとにポジションを見て管理することもできますし、取引履歴を分けて見返すことも可能になります。
先物取引用の口座をサブアカウントにすることで口座資金の全損を防いでリスク分離できる
FTXの先物取引は最大レバレッジが101倍となっており、資金効率などを考えると良いのですが、一番の問題点はリスクが高いことです。
FTXは証拠金が口座全体に及びます。先物のポジションに用いる証拠金を限定することができないのです。追証がないとはいえ、先物の損失で口座全体の資金が失われるのは、ほかの現物も考えるとリスクがあります。
そこで、FTXのサブアカウントを使って先物取引をすることが推奨されるのです。サブアカウントの損失は他の口座に及ぶことはありませんし、そうすることは認められています。
レバレッジは3倍~101倍の間で自分で調整することができますから、あまり心配は要らないかもしれませんが、50倍100倍で取引することが多い人は重宝するはずです。
サブアカウントで別の手法を使って見比べることができる
FTXで現物取引や先物取引などをやる時に、投資家によっては口座ごとに手法を使い分けてパフォーマンスを比較・分析したり、リスクヘッジをする場合もあるでしょう。
そんな時に複数口座を作ることで、取引手法ごとに口座を分けて取引してパフォーマンスを可視化できます。
現物をやっている人なら順張りとガチホとドルコスト平均法で定期的に購入したのを見比べて、どれが一番パフォーマンス良いかを見比べたり、先物ならトレンドフォローとカウンタートレンドでパフォーマンスを比較できます。片方がダメでもリスクは限定されます。
片方が明らかに成績悪ければ、市場のトレンドに新たな気づきがあるかもしれません。
FTXで複数口座(サブアカウント)を持つデメリット
一方、サブアカウントを作って取引することによるデメリットも存在します。
管理が大変
サブアカウントを作ると、それぞれのアカウントで目的に合わせて取引をすることになります。
複数のサブアカウントで分けて取引をしていると、現物なら現物用の口座で取引、先物なら先物用の口座、ETHBULLはレバレッジトークン用の口座で保有、のようにメインのアカウントと複数のサブアカウントで逐一切り替えて注文や決済をしなければなりません。
分ける事で見やすくはなるものの、取引する商品の種類が多い人だと、切り替えに取られる時間が馬鹿になりません。注文やポジションの管理に手間取ることはデメリットになりうると言えます。
取引履歴を見るのが大変
いくつもサブアカウントを持っていると、すべての商品の取引履歴を見る際に、メインアカウントとサブアカウントをその都度切り替えてTrade Historyを表示しなければなりません。
フィルターも各アカウントでかけて自分の欲しいデータを取らなければいけませんので、取引を見返す際は面倒なことになる可能性があります。
取引スピードが遅くなる
サブアカウントをいくつも持っていると、それぞれの口座で用途に合わせて注文をして決済して、とやらなければいけません。
その都度メインアカウントとサブアカウントを切り替えて取引をしなければならないので、場合によっては取引するスピードが遅くなってしまう可能性があります。
混乱してしまう
メインとサブ複数に分けることで可視化しやすくなる点はありますが、一方でアカウント数によっては、アカウントの切り替えと注文を連続して行っていると途中で混乱が生じる可能性があります。
あくまで複数アカウントはリスク分散や取引しやすくなるように使うものだと心得ておきましょう。
まとめ
FTXの複数口座は簡単に作れる上、先物を取引する人や様々な手法を使い分ける人にとっては、リスク管理やパフォーマンス分析で重要な役割を持つ便利な機能だとお分かり頂けたかと思います。
ですが、多用しすぎると逆に取引ミスや混乱などが生じる可能性がありますので、あくまで便利になる、リスクを抑えるメリットが上回る範囲で複数口座を使うと良いでしょう。
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