ビットコイン価格の大幅な上昇が、回復への大きな糸口となった
破産したマイニング企業「Core Scientific(コア・サイエンティフィック)」は17日、破産裁判所が再生計画を承認したため、破産から脱却しナスダックに再上場できるようになったと発表した。
破産裁判所は当社の第11章に基づく再建計画を承認しました。破産裁判所が当社の計画を承認したことで、コア・サイエンティフィック社は2024年1月末までにナスダックに再上場する道が開かれました。
2017年に創業されたコア・サイエンティフィックはかつて、世界最大級のマイニング企業がであったが、ビットコイン価格の下落や過剰な設備投資、エネルギーコスト増加などの影響で収益性が悪化し、2022年12月にチャプターイレブンを申請した。
申請後はマイニング事業を継続し、収益を債務返済に充てていた。2023年には合計13,762BTC(約857億円相当)を自己マイニングでで掘り当てた。このほかコロケーション・マイナーが掘り当てた5,512BTC(約348億円相当)からの手数料収益(金額非公開)もある。
再建型の企業倒産処理を規定した米連邦破産法の第11条のこと。日本の民事再生法に類似し、旧経営陣が引き続き経営しながら負債の削減など企業再建を行うことができる。
経営陣は、申請から120日以内に再建計画を提出し、債権者の過半数かつ債権額の3分の2以上の債権者の同意を得て裁判所の認可を得ることが必要。
これに対し、連邦破産法で事業を終了し、会社清算の手続きを規定している条項は、第7条であることから、清算型の倒産処理はチャプターセブン(Chapter7)と言われる。
出典:野村証券
プレスリリースによると、テキサス州南部地区連邦破産裁判所が同社のチャプターイレブンに基づく再建計画を承認した。これにより、同社は今月末までに事業を再開し、ナスダック再上場することが可能となる。
再生計画では、既存の負債を全額返済し、既存株主は新会社の株式の60%を所有する。
コア・サイエンティフィックのCEO アダム・サリバン氏は、プレスリリースで次のように述べた。
「本日の計画確認は、当社の組織再編における決定的な瞬間です。当社は今月末までに、成功に向けて連携した意欲的なチームを擁し、さらに強力な企業として生まれ変わる態勢を整えています。」
「ビットコインと高価値コンピュートへの需要が高まり続ける中、成長計画を実行し、バランスシートをデレバレッジし、優れた効率性を大規模に提供することで、株主の皆様に価値を創造していきたいと考えています。
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