仮想通貨業界の変化と最新トレンドを詳述|ステーブルコインの急成長にも注目
Web3のスタートアップ企業に投資を行う「a16z crypto(アンドリーセン・ホロウィッツ・クリプト)」は17日、暗号資産(仮想通貨)のトレンドや注目の政策課題などを盛り込んだレポート「State of Crypto Report 2024」をリリースした。
State of Crypto Report 2024では、過去2年間における仮想通貨業界の変化や、注目すべきトレンドを網羅。今後、仮想通貨がより政策や経済の重要テーマとして位置づけられる将来性が示唆されている。
今回リリースされたレポートによると、仮想通貨の利用は急速に拡大しているという。a16z cryptoは2024年9月の1ヶ月間において、2億2,000万件のアドレスが少なくとも1回以上の取引を行っていると指摘した。この2億2,000万件という数字は、2023年末と比較すると3倍以上に相当する数となる。
また、a16z cryptoは独自の方法論を用い、レポートリリース時点での月間アクティブユーザー数を3,000万〜6,000万人と推定している。だが、2024年6月に「Crypto.com」が発表した6億1,700万人と比較すると、その数はわずか5〜10%に留まる。この数字の差には、推定手法や仮想通貨の認知度・利用状況の地域差など、複数の要因が影響している可能性が考えられるだろう。
さらに、レポートではステーブルコイン市場の急成長にも言及している。2024年第2四半期には、ステーブルコインの取引件数が11億件に達し、総取引量は8.5兆ドルを記録。この取引量は、同時期のVisaの取引高である3.9兆ドルの2倍以上に相当する。PayPalやFedwireといった大手決済サービスでの活用が後押しとなり、ステーブルコインは世界的な決済インフラとしての存在感を強めている。
その他にも、レイヤー2ソリューションや分散型金融(DeFi)などの技術的な進展についても指摘されている。仮想通貨のエコシステムがますます多様化し、効率的になっていることが強調されている。
State of Crypto Report 2024は、仮想通貨がこれまでにないほど急速に発展し、広い分野で利用されている現状を示している。今後このレポートが、仮想通貨市場の次のステージに向けた重要な指針となるに違いない。
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