ベース、アービトラムを抜いてイーサリアムレイヤー2の首位に

BaseがArbitrumを抜き、イーサリアムレイヤー2の首位
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TVL24.9億ドルでイーサリアム最大のL2ロールアップに

イーサリアムのレイヤー2エコシステムに大きな動きがあった。Coinbase(コインベース)が開発したL2ソリューション「Base(ベース)」が、TVL(総預かり資産)で24.9億ドル(約3710億円)を記録し、これまで首位だったArbitrum(アービトラム)の23.9億ドル(約3561億円)を抜いて最大のイーサリアムロールアップとなった。

BaseのTVLが24.9億ドルに到達(ソース:DiFiLlama)
BaseのTVLが24.9億ドルに到達(ソース:DiFiLlama)

ブロックチェーン情報メディア「The Block(ザ・ブロック)」によると、ベースのTVLは366のプロトコルに分散されており、その大部分は13億ドル以上の預金を持つ分散型取引所「Aerodrome(エアロドローム)」によるものだ。

ベースは現在、TVLで上位5つのブロックチェーンネットワークにランクインしており、イーサリアム、トロン、ソラナ、BNBチェーンといったL1チェーンの次に位置している。ベースはOP Stack(OPスタック)を利用したOptimistic Rollup(オプティミスティック・ロールアップ)として機能する。このL2ソリューションは、イーサリアムのメインチェーン外で取引を処理し、定期的にデータを確定させる。

ザ・ブロックのデータダッシュボードによると、ベースはユーザー活動でも他のL2ネットワークをリードしており、1日あたりのアクティブアドレスは約150万に達している。

ベースの成功は、イーサリアムのスケーラビリティ問題に対する解決策として、L2ネットワークへの関心が高まった結果だ。ベースの成功の要因としては、以下の点が挙げられる。

  • OPスタックを活用した高い互換性
  • ロールアップ技術による高速・低コストな取引処理
  • コインベースの大規模なユーザーベースの活用
  • 13億ドル以上の預金を持つエアロドロームの貢献

一方、アービトラムは依然として強力な競合相手であり、確立されたユーザーベースと評判を維持している。

イーサリアムのL2エコシステム全体のTVLは、2024年1月に211.6億ドルの過去最高を記録し、2023年1月から333%増加した。この急成長は、以下の点で業界に大きな影響を与えている:

  • スケーラビリティソリューションとしてのL2の重要性の高まり
  • イーサリアムエコシステム全体の強化
  • 新たな投資機会の創出

イーサリアムのL2エコシステムは今後さらに拡大すると予想されており、ユニチェーン(Unichain)など新たなプレイヤーの参入も期待されている。これらの新規参入者は、流動性の分断や不十分なユーザー体験といった課題の解決を目指している。

ベースの台頭は、L2市場の競争激化を示唆しており、今後のイーサリアムエコシステムの発展に大きな影響を与えると予想される。投資家や開発者は、この変化を注視し、新たな機会を探ることが重要だ。

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情報ソースザ・ブロック / DiFiLlama

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この記事を書いた人

中井 純、工学博士
AIは30年以上、web3(仮想通貨)は3年以上フォロー。web3x生成AIには早くから注目し、ビジネスチャンスを研究。東大応用物理学科卒業後、ソニー研究所にて、CD、AIなどの研究開発に従事。MITの電子工学博士取得後、外資系社長を歴任。最近はハイテク・スタートアップの資金調達支援を手がけるかたわら、自らweb3x生成AIのライターとして活躍。技術的なことも分かりやすく、ユーザー目線で解説することが得意です。著書2冊。

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