マイクロストラテジー、987億円の転換社債でビットコイン追加購入へ

マイクロストラテジー、約987億円の転換社債発行でビットコイン買い増しへ
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資金調達で債務返済と69,080BTCの担保解放、さらに安値圏でのBTC追加購入

米ナスダック上場のビジネスインテリジェンス企業「マイクロストラテジー」は16日、2028年満期の約987億円(7億ドル)相当の転換社債を発行すると発表した。

同社のプレスリリースによると、この資金調達には以下の目的がある。

  • 5億ドルの既存債務の返済:2028年満期の6.125%の優先担保付社債の償還。9月16日付ですでに償還通知が発行されており、9月26日に償還予定。
  • ビットコインの追加購入。
  • 一般的な企業目的への使用。

今回の資金調達の動きで特に注目すべき点は、既存の優先担保付社債の償還に伴い、担保として提供されていた約69,080BTCのビットコインが解放される点だ。これにより、マイクロストラテジーは、より柔軟にビットコインの資産運用を行うことが可能となる。

今回の転換社債発行は、ビットコイン市場の変動性が高いにもかかわらず、マイクロストラテジーがビットコイン戦略に強くコミットし続けていることを示している。

今回の資金調達と既存債務の返済により、マイクロストラテジーは以下の利点を得る:

  • 最大で8億500万ドル(1億500万ドルはオプション)の資金調達が可能となる。
  • 調達資金で追加のビットコイン購入を行う予定であり、仮想通貨保有量がさらに増加する。
  • 5億ドルの優先担保付社債を償還することで、債務構造が改善される。
  • 優先担保付社債の償還により、69,080BTCの担保が解放され資産管理の自由度が向上。

投資情報サイト「CryptoSlate」によれば、マイクロストラテジーの現在のビットコイン保有量は244,800BTCにのぼる。

同社は2020年8月から積極的なビットコイン投資戦略を展開しており、今回のような資金調達を過去にも複数回行ってきた。 2024年に入ってからも、既に2回の大規模な資金調達を実施しており、3月には2031年満期の転換社債を発行し、6億375万ドル(約899億円)を調達、8月には2032年満期の転換社債を発行し、8億ドル(約1,128億円)を調達している。

この戦略は同社の株価にも大きな影響を与えている。マイクロストラテジーの株価は2024年に入って2倍になり、過去1年では3倍に上昇した。これは主にビットコイン価格の上昇に連動したものだ。

しかし、この戦略にはリスクも伴う。ビットコインの価格変動は激しく、マイクロストラテジーの財務状況に大きな影響を与える可能性がある。また、転換社債の発行による既存株主の持分希薄化も懸念される。

一方で、マイクロストラテジーはAIを活用したビジネスインテリジェンスソリューションも提供しており、クラウドサブスクリプション収益は前年比21%増を記録している。これにより、ビットコイン投資への依存度を軽減し、事業の多角化を図っている。

今回の転換社債発行とビットコイン追加購入の動きは、マイクロストラテジーの攻めの姿勢を鮮明に示すものだ。機関投資家のビットコイン市場への参入が加速する中、マイクロストラテジーの動向は今後も注目を集めるだろう。

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参照ソースマイクロストラテジー社プレスリリース/CryptoSlate

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この記事を書いた人

中井 純、工学博士
AIは30年以上、web3(仮想通貨)は3年以上フォロー。web3x生成AIには早くから注目し、ビジネスチャンスを研究。東大応用物理学科卒業後、ソニー研究所にて、CD、AIなどの研究開発に従事。MITの電子工学博士取得後、外資系社長を歴任。最近はハイテク・スタートアップの資金調達支援を手がけるかたわら、自らweb3x生成AIのライターとして活躍。技術的なことも分かりやすく、ユーザー目線で解説することが得意です。著書2冊。

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