ブロックチェーン調査を専門とするユーザーからの告発により発覚
登録者数3.2億人を超えるYouTuberのMrBeast氏に、暗号資産(仮想通貨)による不正行為の疑惑が浮上し、一部ユーザーから反感を買っている。11日、X上で「SomaXBT」というハンドルネームで活動しているブロックチェーン調査を専門とするユーザーにより告発が行われた。
SomaXBT氏は、オンチェーンデータ分析サイト「Arkham(アーカム)」でのウォレット情報を基に、MrBeast氏が「ポンプアンドダンプ」と呼ばれる不正行為を行った可能性があると指摘。この手法は、資産価格を意図的に吊り上げてから売却することで、自身だけが巨額の利益を得る詐欺手法として知られている。
MrBeast氏が投資したとされるのが、自立分散型組織(DAO)「SuperVerse」(旧称:SuperFarm)が発行するネイティブトークン「SUPER」だ。MrBeast氏は2021年にSUPERへ10万ドルの投資を行っており、その後自身のSNS上でSUPERを積極的に宣伝。自身のフォロワーに対して投資を促したとされている。
その後トークン価格が急騰し、2021年3月30日、MrBeast氏は新たに作成したウォレットへ100万ドル相当のSUPERを送金し、累計751回の取引を通じてすべてのSUPERを売却。最終的に1,900ETH(現在価値で約500万ドル)を受け取っている。同氏はこれまでにも同様の手法を用いており、SUPERから900万ドルもの利益を手にしているとのことだ。
さらに、MrBeast氏は「PMON」という仮想通貨に対しても不正利益を得た可能性が指摘されている。同氏はこのPMONへ2万5,000ドルを投資し、170万ドルの利益を得たとされている。SomaXBT氏はオンチェーンデータを参照し、その後、SUPERの流れと同様に485回に及ぶ取引ですべてのPMONを売却したことについても指摘した。
その他、「SHOPX」や「STAK」、「VPP」トークンプロジェクトにも関与し、多額の利益を得たとSomaXBT氏は語っている。
今回の告発に対し、SNS上では多くのユーザーが動揺を隠せない様子だ。不正行為が本当に行われたのかについて疑念の声が上がる一方で、MrBeast氏を強く非難する声も見られた。特に影響力のある人物が自身のフォロワーを利用して価格操作を行うことのリスクが強く意識されており、規制の強化を求めるユーザーも少なくないようだ。
関連:FBIが独自の仮想通貨を作成し、仮想通貨市場の詐欺師を一網打尽
情報ソース:SomaXBT氏公式X