急成長を続けるRWA市場、伝統的Web2企業が支配=Coin98 Insights

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市場が低迷するなか、RWA市場はWeb2企業により成長を続ける

ビットコインをはじめ多くの暗号資産(仮想通貨)が年初来高値から大きく値下がりするなか、Real World Assets (RWA) 製品は堅実な成長を続けている。ただ、その大部分は伝統的な企業(Web2)によるものであることが12日、海外メディア「Coin98 Insights」が発表したレポートにより明らかになった。

RWAトークンとは

RWAとは「Real World Asset」の略で、「現実世界の資産」を意味する用語。

具体的には不動産や株式、債権、金(ゴールド)などの資産や、美術品、ワインなど希少な資産もあげられる。RWAを裏付けに、その権利をトークン化したものをRWAトークンと呼ぶ。

代表的な例として、米ドルというRWAをトークン化したステーブルコイン(USDTやUSDCなど)がある。

出典(一部):大和総研

Real World Assets (RWA) は、一般市場が低迷する中、今年初めから成長を見せているプロジェクト グループの 1 つで、オンチェーン価値の総額は 120 億ドルを超えています。
RWA プライベート クレジットと RWA 財務省のプロジェクト グループはどちらも、・・・

(※RWAというと本来であればステーブルコインも含まれるが、このレポートではステーブルコインを除いたRWA市場について分析している。)

ステーブルコインを除いたRWA市場は、7月11日時点で約106億ドル(約1.6兆円)にのぼり、年初の約79億ドル(約1.2兆円)からプラス27億ドル(4,300億円)となる。

RWA市場の成長(ステーブルコイン含まない)
出典:rwa.xyz

RWA市場(ステーブルコイン除く)の75%以上を「プライベートクレジット製品(上図青部分)」が占めており、その中でも92%以上のシェアを持つのが米国最大のホームエクイティ信用枠(HELOC)サービス「Figure(フィギュア)」だ。

米国に本社を置くフィギュア社よって運営されるフィギュアは、独自のプライベート・ブロックチェーン上に構築されている。これまでに77億ドル(約1.2兆円)以上が融資され、従来のローンよりも低い金利で、より多く借りれることを武器に右肩上がりの成長を続けている。

また、RWA市場の成長の背景には、米国債からの高い利回りもある(上図の赤部分)。世界最大級の資産運用会社「ブラックロック」「フランクリン・テンプルトン」が運営する「BlackRock USD Institutional Digital Liquidity Fund (BUIDL)」「Franklin OnChain U.S. Government Money Fund(FOBXX)」はホルダーに主に米国債の利回りを提供するよう設計され、平均利回りは4.95%に達する。

RWAは従来の市場と仮想通貨市場との架け橋として考えられているが、実態としてはこのようにRWA市場シェアの大部分がフィギュア社やブラックロックなどの伝統的な企業(Web2)の手にわたってしまっている。

マッキンゼーの調査によると、トークン化の可能性は非常に大きく、特に預金、ETF、債券などの変動性の低い資産では、2030年までにトークン化の総額は最大2兆米ドルに達すると推定されており、まだまだWeb3が介在できる余地はあり、今後の成長に期待したい。

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参考文献

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