ビットコイン現物ETF、全体の資金流入が鈍化=BitMEX

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グレースケールからの資金流出は、5,823億円まで上昇

BitMEXリサーチのデータによると、ビットコイン現物ETFは今月11日に上場してから23日までの8営業日で合計9.82億米ドル(約1448億円)の純資金流入があったことがわかった。依然としてグレースケール社のETFは資金流出が続いており、現在までに39.6億米ドル(約5,823億円)が流出している。

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上場~23日までの資金フロー
出典:BitMEX Research
上場~23日までの資金フロー(詳細版)
出典:BitMEX Research

BitMEXリサーチのデータによると、ビットコイン現物ETFの一斉上場から8日間で純流入総額は9.82億米ドル(約1448億円)まで落ち込んだ。足を引っ張っているのは唯一資金流出が続いているグレースケールのETFだ。

上場以来、ブラックロックとフィデリティはそれぞれ18.49億米ドル(約2,716億円)、15.99億米ドル(約2,349億円)を超える純流入となり、その他のETFも右肩上がりの成長を続けるなか、グレースケールは上場以来39.6億米ドル(約5,823億円)の純流出となっている。

とはいえ、下記画像をご覧いただけるとわかる通り。グレースケールのシェアは依然として圧倒的で、全体の運用資産総額(AuM)の約81%を占めている。というのも、今回上場したETFのなかでグレースケールは唯一前身となるGBTCから転換された商品であり、上場時点で既に240億米ドル(約3.5兆円)のAuMがあるからだ。

グレースケールETFの市場シェアは圧倒的
(画像はビットコイン建て)
出典:bitcointreasuries

グレースケールからの資金流出は予想されていた。従来投資家がGBTCを売却するためには市場で売却する必要があったが、1月10日に米国証券取引委員会(SEC)が同社のビットコイン現物ETFを承認したことで、GBTCはビットコインへの償還が可能となった。

ETF別の資金フロー
出典:BitMEX Research

また、グレースケールのビットコイン現物ETFの手数料の高さも原因だ。グレースケール以外のほとんどが手数料無料、高くても0.25%という中で、グレースケールの手数料は驚異の1.5%だ。

これについてグレースケール社CEO マイケル・ソネシャイン氏は、ブルームバーグのインタビューに対し、「グレイスケール・ビットコイン・トラストに請求される1.5%の管理手数料は、同社の「規模、流動性、実績」によって正当化される」と述べた。

とはいえ、なぜGBTC保有者全員が自分のGBTCを売って、他のETFに乗り換えないのだろうか。これについてX(旧Twitter)ユーザーのリップ・ヴァンウィンクル氏は次のように考察した。

(中略)
彼らの(※筆者注「GBTCの」)取引高のほとんどはトレーダー/投機家によるものであり、バイ・アンド・ホールド投資家によるものではありません。トレーダーは最も流動性の高いシンボルに引き寄せられます。
(中略)
トレーダーにとってGBTCを取引するのに数分、数時間、数日、さらには数週間かかる場合、1.5% の手数料は無視できるほどです。これは1日あたり1ベーシスポイントの半分未満です。トレーダーは、非流動性商品の取引に参加したり取引を終了したりするために広い買値と売値のスプレッドを支払うよりも、1 日あたり 0.42 ベーシス ポイントを支払うことを希望します。
(以下略)

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(2024年1月25日 一部誤字を訂正しました)

参考文献

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この記事を書いた人

元一般企業会社員。現在はトレーダー兼ライター。
株式やFX、仮想通貨デリバティブ、草コイン、ノード運用と色々やっています。

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