暗号資産の税制改正、自民党が次年度の「与党税制改正大綱」発表

目次

自民党が発表した「令和5年度与党税制改正大綱」で暗号資産の税制改正へ

自民党は12月16日、翌年度の税制に関する具体的施策についてまとめた「令和5年度与党税制改正大綱」をプレスリリースで発表した。

自民党は令和5年度税制の主要項目の一つに「スタートアップ・エコシステムの抜本的強化」を挙げ、「三 法人課税」の項目で、暗号資産の税制改正について言及している。

以下、該当部分を抜粋した。

(5)暗号資産の評価方法等について、次の見直しを行う(次の②の見直しは、所得税についても同様とする。)。
①法人が事業年度末において有する暗号資産のうち時価評価により評価損益を計上するものの範囲から、次の要件に該当する暗号資産を除外する。 
 イ 自己が発行した暗号資産でその発行の時から継続して保有しているものであること。
 ロ その暗号資産の発行の時から継続して次のいずれかにより譲渡制限が行われているものであること。 
(イ)他の者に移転することができないようにする技術的措置がとられていること。 
(ロ)一定の要件を満たす信託の信託財産としていること。
② 自己が発行した暗号資産について、その取得価額を発行に要した費用の額とする。
③ 法人が暗号資産交換業者以外の者から借り入れた暗号資産の譲渡をした場合において、その譲渡をした日の属する事業年度終了の時までにその暗号資産と種類を同じくする暗号資産の買戻しをしていないときは、その時においてその買戻しをしたものとみなして計算した損益相当額を計上する。 

令和5年度与党税制改正大綱:75-76頁

自民党のプレスリリースを受け、国内仮想通貨取引所「BitFlyer(ビットフライヤー)」創業者の加納裕三氏は自身のツイッターで「暗号資産の発行に関する税制が、時価評価から簿価評価になったのは大成功」と評価した。

加納氏は11月、自身が理事を務める「日本ブロックチェーン協会(JBA)」から暗号資産に関する税制改正要望を政府に提出していた。

今回、事前に提出していた要望書の内容のうち「暗号資産を発行・保有する法人への期末含み益課税の撤廃」について要求が通った形となった。

今回の税制緩和が呼び水となり、今後、日本発の暗号資産プロジェクトは増加していくものと思われる。

申告分離課税の導入や暗号資産同士の交換時における課税撤廃などの暗号資産税制が、今後さらに改善されていくことに期待したい。

参考文献

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暗号資産の税制改正、自民党が次年度の「与党税制改正大綱」発表

自民党が発表した「令和5年度与党税制改正大綱」で暗号資産の税制改正へ

自民党は12月16日、翌年度の税制に関する具体的施策についてまとめた「令和5年度与党税制改正大綱」をプレスリリースで発表した。

自民党は令和5年度税制の主要項目の一つに「スタートアップ・エコシステムの抜本的強化」を挙げ、「三 法人課税」の項目で、暗号資産の税制改正について言及している。

以下、該当部分を抜粋した。

(5)暗号資産の評価方法等について、次の見直しを行う(次の②の見直しは、所得税についても同様とする。)。
①法人が事業年度末において有する暗号資産のうち時価評価により評価損益を計上するものの範囲から、次の要件に該当する暗号資産を除外する。 
 イ 自己が発行した暗号資産でその発行の時から継続して保有しているものであること。
 ロ その暗号資産の発行の時から継続して次のいずれかにより譲渡制限が行われているものであること。 
(イ)他の者に移転することができないようにする技術的措置がとられていること。 
(ロ)一定の要件を満たす信託の信託財産としていること。
② 自己が発行した暗号資産について、その取得価額を発行に要した費用の額とする。
③ 法人が暗号資産交換業者以外の者から借り入れた暗号資産の譲渡をした場合において、その譲渡をした日の属する事業年度終了の時までにその暗号資産と種類を同じくする暗号資産の買戻しをしていないときは、その時においてその買戻しをしたものとみなして計算した損益相当額を計上する。 

令和5年度与党税制改正大綱:75-76頁

自民党のプレスリリースを受け、国内仮想通貨取引所「BitFlyer(ビットフライヤー)」創業者の加納裕三氏は自身のツイッターで「暗号資産の発行に関する税制が、時価評価から簿価評価になったのは大成功」と評価した。

加納氏は11月、自身が理事を務める「日本ブロックチェーン協会(JBA)」から暗号資産に関する税制改正要望を政府に提出していた。

今回、事前に提出していた要望書の内容のうち「暗号資産を発行・保有する法人への期末含み益課税の撤廃」について要求が通った形となった。

今回の税制緩和が呼び水となり、今後、日本発の暗号資産プロジェクトは増加していくものと思われる。

申告分離課税の導入や暗号資産同士の交換時における課税撤廃などの暗号資産税制が、今後さらに改善されていくことに期待したい。

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