仮想通貨イーサリアム(ETH)のステーキング量、イーサリアム2.0がローンチした20年12月以来最低レベルまで低下
イーサリアム(ETH)の新規ステーキング量が、過去最低レベルまで下落していることが明らかとなった。米大手仮想通貨メディア「BeInCrypto」が報じた。
BeInCryptoのレポートによると、市場全体におけるイーサリアムの新規ステーキング枚数(週足)は、25,000ETHまで落ち込んだ。これはイーサリアム2.0アップデート開始に伴い、ステーキングサービスが開始された20年12月以来、最低水準となる。
従来のイーサリアムチェーンが抱えていた以下3つの問題を解決するため、2020年12月から開始された大型アップデート。
- スケーラビリティ問題:トランザクション急増に伴う取引遅延やガス代高騰
- 環境問題:マイニングに伴う大量の電力消費
- ノードストレージ問題:ブロックチェーンの肥大化に伴い、ノード運用に必要なストレージが肥大化
上記の問題を解決するため、以下2点の変更が加えられる。
- PoW(プルーフ・オブ・ワーク)からPoS(プルーフ・オブ・ステーク)へのコンセンサスアルゴリズム変更:22年9月のマージアップデートで完全移行完了
- シャーディング(データベースの負荷分散を行うための新技術):23‐24年実装予定
さらに、現在ステーキングされているETHのうち、記事執筆時点の価格(1,250ドル)よりも安く取得・ステーキングされたのは全体のわずか20%であることが明らかとなった。このデータから、ETH価格下落による含み損がステーキング報酬を上回り、赤字採算となっているユーザーが大半であることが推測される。
仮想通貨分析プラットフォーム「Dune」のデータによると、現在ステーキングされているETHは計1,590万枚(200億ドル相当)であり、市場供給量の13.2%にあたる。
ETHは23年3月にステーキング報酬引き出し機能を実装した「上海アップデート」を予定しており、ETHの売り圧上昇による価格下落が懸念されている。
ETHは21年11月にATH(過去最高値)の4878ドル(55万円相当)を記録したのち続落し、記事執筆時点、ATH比74%減の1,250ドル(16万3千円相当)となっている。
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