ソラナ基盤のRaydium、取引量と収益性でイーサリアムに挑む
DeFiデータ分析プラットフォームの「DefiLlama(ディファイラマ)」によると、ソラナブロックチェーン上の分散型取引所(DEX)「Raydium(レイディウム)」が、24時間の収益でイーサリアムを上回った。10月21日、レイディウムは340万ドル(約5.1億円)の手数料収入を記録し、イーサリアムの約5,025億円を超えた。
この成果は、ソラナエコシステムの急速な成長を反映している。ディファイラマによると、ソラナの総ロック価値(TVL)は64億ドル(約9,600億円)に達し、2022年1月以来の最高水準を記録。24時間のDEX取引量でもイーサリアムを上回り、20億ドル(約3,000億円)を超えた。
ソラナのデータ分析サイト「SolanaFloor(ソラナフロア)」によると、レイディウムは現在、業界最大の手数料生成プラットフォームの1つとなっている。24時間の取引量は13.9億ドル(約2,085億円)を超え、DEXの最大手であるユニスワップの160%以上の手数料を記録している。
レイディウムのTVLは10月22日に16億ドル(2,400億円)に達し、2021年12月以来の最高水準を記録。これはソラナエコシステム内で2番目に大きなプロトコルだ。
レイディウムの成功の背景には、以下の要因がある:
- ソラナ上でのミームコインブーム
- 新規トークン発行プラットフォームPump.funの人気
- ソラナの高速・低コストな取引環境
レイディウムの躍進は、DeFi市場における競争の激化を如実に物語っている。イーサリアムは依然として多くのユーザーを抱えているが、高騰するガス代やスケーラビリティの問題に悩まされている。一方、ソラナは、高速なトランザクションとほぼゼロに近い手数料により、ユーザーや開発者にとって魅力的なプラットフォームになりつつある。
しかし、市場関係者からは、ソラナの取引活動の多くが取引量を水増しするボットによる可能性を指摘する声もある。
資産運用会社「VanEck(ヴァンエック)」のデジタル資産研究責任者マシュー・シーゲル氏は、2030年までにイーサリアムが年間660億ドル(約9.9兆円)のフリーキャッシュフローを生み出し、ETHの現物価格が最大22,000ドル(約330万円)まで上がると予想した。これに対し、レイディウムの成功は新興プラットフォームが既存の大手を追い越す可能性を示している。
ただし、ミームコイン市場の変動性や規制リスクには注意が必要だ。Pump.funで作成されたトークンのうち、レイディウムに移行するのは1.41%程度と低い成功率であることも指摘されている。
レイディウムの成功は、暗号資産(仮想通貨)市場の急速な進化を示す重要な指標となっている。今後、DeFi市場がどのように発展していくか、注目が集まっている。
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