SECがヒンマン文書を公開|やはりあったETHの有価証券性への言及

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SECがヒンマン文書が公開

米証券取引委員会(SEC)は13日、2018年のビル・ヒンマン氏の演説に対して注釈を行った内部資料、いわゆる『ヒンマン文書』を公開した。ヒンマン氏は当時のSEC企業金融部長。同氏はETH(イーサリアム)有価証券説の否定論者だった。

現在のSECはイーサリアム有価証券説をとっている。なので、反対説である非有価証券説を補強する内容が含まれると噂されていたヒンマン文書は、SECにとっては「不都合な文書」だったといえる。13日に公開されたヒンマン文書には、はたして「SECはイーサリアムについてヒンマンと異なる立場をとることは困難であろう」との注釈があった。

イーサリアムの有価証券性

SECはかねてより、ビットコインについては「コモディティ」に認定している、一方、イーサリアムについては「セキュリティ」(証券)だという。なぜならイーサリアム財団にはヴィタリック・ブテリンが君臨するため、有価証券性のリトマス紙たる「ハウェイテスト」の第2項に抵触する可能性が濃厚だからだ。

【ハウェイテスト】

  1. 資金を集めているか
  2. 共同事業であるか
  3. 収益性があるか

仮に今後イーサリアムが有価証券に認定された場合、イーサリアムは当局による厳格な規制の対象となる。これはイーサリアムの使用方法、販売方法、最終的にはその価格に甚大な影響を与える。また、それをあつかう暗号資産(仮想通貨)取引所も、証券取引所として認可を得る必要が生じる。

つまり、イーサリアムホルダーにとって、有価証券性が正式に認められることは、最悪のシナリオなのだ。

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トリプルスタンダード

イーサリアムホルダーにとっては、心強い援軍として公表が待望されていたヒンマン文書。だが、「SECはイーサリアムについてヒンマンと異なる立場をとることは困難であろう」との注釈が明らかになったにも関わらず、市場の反応は限定的だ。

有価証券性の判断はあくまでハウェイテストに基づくべきで、「ヒンマン演説」は単に混乱を助長するもの、という意見が根強いからだ。

そのうえ、「ヒンマン演説」に詠み人知らずの注釈が付された「ヒンマン文書」にまで効力を認めてしまうと、これではトリプルスタンダードになってしまう。

今回公表されたヒンマン文書の内容がイーサリアムホルダーにとってGood Newsなのはまちがいないが、楽観するのはまだはやそうだ。

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