米証券取引委員会(SEC)、トロン創業者ジャスティン・サン氏を詐欺および証券法違反の疑いで提訴
米証券取引委員会(SEC)は23日未明(日本時間)、トロン(TRX)創業者のジャスティン・サン氏およびトロン財団、ビットトレント財団、レインベリー社(旧ビットトレント)の3社を「未登録の証券を募集・販売・ウォッシュトレード・違法な宣伝を指揮した」として提訴したことを発表した。
Today we charged crypto entrepreneur Justin Sun and three of his wholly-owned companies for the unregistered offer and sale of crypto asset securities Tronix and BitTorrent.
— U.S. Securities and Exchange Commission (@SECGov) March 22, 2023
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ウォッシュトレードとは、売り手と買い手が同じ、あるいは両者が共謀して取引をおこなうことで、意図的に取引量の水増しする行為のこと。ウォッシュトレードは相場操縦にあたり禁止されている。
サン氏は2018年4月から2019年2月にかけて従業員に対し、自身が管理する2つの暗号資産(仮想通貨)取引プラットフォームアカウント間でTRXの60万件以上のウォッシュトレードを行うよう指示し、毎日450万から740万のTRXがウォッシュトレードされたとしている。このスキームには大量のTRXが必要となるが、サン氏自らTRXを提供したようだ。さらにサン氏はTRXを市場で売却し、3,100万ドル(約40億円)の利益を得たとされている。
米SECは同時に、TRXおよびBTTを宣伝することで報酬を得たこと、および報酬額を開示することなく、違法に宣伝したとして以下の8人の有名人を告発した。
- リンジー・ローハン
- ジェイク・ポール
- デアンドレ・コルテス・ウェイ(ソウルジャ・ボーイ)
- オースティン・マホーン
- ミシェール・メイソン(ケンドラ・ラスト)
- マイルズ・パークス・マッコラム(リル・ヨッティー)
- シェイファー・スミス(Ne-Yo)
- アリアーヌ・ティアム(エイコン)
コルテス・ウェイとマホーンを除き、告発された著名人は、米SECの調査結果を認めることも否定することもなく、合計40万ドル以上の遺棄金、利息、罰則を支払って和解することに同意した。
FTX破綻以降、アメリカ含む世界的に仮想通貨業界全体へ厳しい目が注がれている。業界の健全化に向け今後の動向に注視していきたい。