今週のPMI・ISMが政策金利・ドルに及ぼす影響は

23-05-01-pmi-ism-news
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PMIは予想をわずかに下回った

FOMC政策金利を控える中、今週のPMI、ISMが金利決定に及ぼす影響は大きいといわれている。連休中であるにもかかわらず注目していた投資家・トレーダーは多いだろう。

US Manufacturing PMI(米国製造業PMI)

画像01:PMI 年間チャートグラフ
PMI 年間チャートグラフ

予想を下回ったものの前回の48.6からの回復を見せている。先週の米株高を促した、ハイテク株の好業績もあり、おそらく25ポイントの利上げ観測が裏付けられたようだ。発表直後に金、ビットコイン・イーサリアムは下落に向かった。

画像03:BTC,ETHチャート

すぐ後のISM発表を控えていることもあり、米国債長期金利もさほど動きが見られず、3.475%あたりにとどまり、ドル円は136.70台で横這いに推移していた。

ISMは予想を大きく上回り利上げは決定的か?

続けて23時発表のISMは、トータル的に予想を大きく上回る結果となった。

ISM製造業指数結果
  • 支払価格 53.2(予想 49.0/ 前回 49.2)
  • 雇用 50.2(予想 47.9 / 前回 46.9)
  • 新規受注 45.7(予想 44.5 / 前回 44.3)
  • 製造業景況指数 47.1(予想 46.8 / 前回46.3)

この結果から25ポイントの利上げは半ば決定的だといえるかもしれない。136.136.90台の壁を打ち破り、ドルは一気に上昇に向かった。23時15分時点のドル円は137.20台で推移、3月8日以来の高値をつけている。

画像04:USDJPYチャート

米労働市場の強さはFOMCの利上げ決定に向けて大きな引き金となりやすい。しかしながら、年間の業績データとしてみた時には、米経済の弱さが目立つ。

US ISM Manufacturing PMI (ISM製造業景況指数)

画像02:ISM年間チャートグラフ
 ISM年間チャートグラフ

加えて、注視しておきたいのがデータ発表以前に報道された、ハイテク系銀行の1つであるFirst Republic(ファーストリパブリック)の経営破綻だ。かろうじてJPモルガンが買収に踏み込んだことで危機は免れたが、3月のSilvergate(シルバーゲイト銀行)に続いて4つ目の銀行破綻となる。

25ポイントの金利上昇説が依然として優勢さを占める中、今回の利上げに関してはドル円上昇は上値が限定される公算は高いかもしれない。

これまでのように、単純に金利上昇イコールドル高というわけにはいかない。米国の銀行破綻が相次げば、必然的にリーマンショックを思い起こさずにはいられないからだ。一時的なドル高騰は続くかもしれないが、ドルからの逃避先としてむしろ安全資産となる金や銀行に依存しないビットコインに資金が流入する可能性も併せて考慮しておきたいものだ。

参考文献

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