ブータン王国、2019年よりビットコインマイニング|年間予算の15%投入

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国営の投資会社を通じて、ここ数年間ビットコインをマイニングしていた

ブータン王国が、国のポートフォリオを多様化するための長期的な投資戦略の一環として、国営投資会社であるDruk Holding and Investments(DHI)を通じて、数年間にわたりビットコインの採掘を行っていると現地メディア「The Bhutanase」と「Forbes」が4月30日に報じた。

インド北東部に位置するブータン王国は、かつて国民総幸福量を重視する政策で「世界一幸福な国」として一躍有名になった。

ブータン王国はマイニングに適した場所といえる。ヒマラヤ山脈の傾斜を生かした水力発電で、割安な電力を大量に生産している。また、標高が高く1年を通して比較的涼しいため、大量の熱を発するマイニングには最適な場所である。これらは、グリーンエネルギー源であることから、二酸化炭素の排出を伴わない、事実上グリーンなマイニングといえる。

報道によると、ブータン当局はビットコイン価格が約5000ドルだった2019年4月からマイニングを開始したという。さらに、王国政府はマイニング事業を拡大するために、マイニング企業のBitdeerと交渉し、ブータン王国で発電されている550メガワットの電力のうち、100メガワットを提供する予定だと報じられている。この契約によって、Bitdeerのマイニング能力は約12%増加する見込みとのこと。

関連:大手BTCマイニング企業「Bitdeer」、米ナスダック上場

実際、ブータン財務省の公表資料によると、ブータンの従来の輸入品はガソリンや鉄鋼、コメが中心であったが、2021年と2022年に合わせて1億9300万ドル(約265億円)のコンピューターチップを購入していたことがわかっている。これは、王国の総輸入額14億ドルの約10分の1、政府の年間予算9億3000万ドルの約15%に匹敵する。DHIはその一部は「特別なプロジェクトのために」支出されたものだと明かした。

また、ブータン王国はDHIが数百万ドル(数億円)を仮想通貨に変えて投資していたことも報じられている。この投資は秘密裏に行われ、国民には知らされていなかったとのこと。DHIはデジタル資産に力を入れているのか、そのリスクはどうなのかという質問に対し、DHIの担当者は次のように述べている。

DHIは、ブータン王立政府の投資部門として、ブータン国民の今日の生活を向上させ、次の世代のために安全な未来を実現することを唯一の目的としている。

この目標を達成するために、DHIは、投資の専門家チームが、国内外のさまざまな資産クラスや投資テーマで資産を保有する分散投資ポートフォリオを管理している

出典:The Bhutanase

参考文献

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