米国の債務不履行に備え、USDCの準備金から米国債消える

2023年05月11日 14時50分

安全安心のステーブルコインを目指して・・・

ステーブルコインUSDCの発行元Circle社のCEOであるJeremy Allaire氏は10日、同社が米国政府が債務不履行に陥る可能性を懸念しているため、6月以降に期限を迎える国債をもはや保有していないことを、米ニュースメディア「Politico」の報道により明らかになった。

Circleの準備金を管理する「Circle Reserve Fund」のウェブサイトを見てみると、ファンドの保有する国債の満期は最も遅いもので5月31日だ。

共和党と民主党が債務上限引き上げの合意に達しない場合、米国は国債の債務不履行の危険にさらされる。4月の連邦税収が予測を下回ったため、債務上限の引き上げの期限は、6月1日にも迫る可能性がある。米国財務長官のJanet Yellen氏は、5月初旬に債務上限を引き上げない場合、「経済的な大惨事」につながる可能性があると警告した。

USDCは、米ドルと1:1で価値が連動されるようになっているステーブルコイン。Circle社と暗号資産（仮想通貨）取引所Coinbaseの共同事業体「Centre」が発行し、デリバティブ取引やDeFiなど様々な場所で使われている。ステーブルコインとしては、USDTに次ぐ第2位のシェアをもち、時価総額は約4兆円。準備金の内訳は、2割は現金で、8割は世界最大の資産運用会社BlackRockに「Circle Reserve Fund」として預けられ、米国債などで運用されている。