SECがビットコイン現物ETF承認｜ビットコインの反応は限定的

2024年01月11日 10時18分

仮想通貨業界にとって大きな躍進

米国証券取引委員会（SEC）は11日、11件のビットコイン現物ETFを承認したと発表した。このニュースを受けビットコインの価格は一時2,500ドル急騰したが、その後落ち着き現在46,500ドル台を推移している。

米ＳＥＣ、ビットコイン現物投資型のＥＴＦ申請を初めて承認 https://t.co/YsadVPEb2A
— ブルームバーグニュース (@BloombergJapan) January 10, 2024

今回SECが承認したのは、次の11件。申請されたもの全てが承認となった。

ビットコイン現物ETFは、価格がビットコインの現物価格に連動する上場投資信託（ETF）のことだ。株式と同じように取引できるため、投資家は暗号資産（仮想通貨）取引所に口座を開き現物を購入する手間なしに、ビットコインに投資できる。

また、ビットコイン現物ETFは、SECによる厳しい規制・監督のもと運用されるため、投資家は依然として規制が不明瞭な仮想通貨取引所で現物のビットコインを保有するよりもより安心して取引することができる。そのため今後、個人・機関投資家の波が押し寄せるかもしれない。

ビットコイン現物ETFをめぐっては、米国の仮想通貨取引所「Gemini」の創業者で仮想通貨長者であるウィンクルボス兄弟が2013年に最初の申請を行って以降、10年で20件余りの申請が却下され続けてきた。

しかし、グレースケール社がGBTCのETFへの転換を拒否する姿勢を不服として起こした訴訟でSECは敗訴。ビットコイン先物ETFは認めているのに現物ETFを認めないのは「SECの恣意的かつ気まぐれ」であると裁判所から指摘を受けた。これにより風向きが変わり、SECは承認せざるを得なくなったとみられる。

長らくビットコイン現物ETFに反対していたSECのゲンスラー委員長は、この発表と同時に声明を発表し、牽制した。

「きょう特定のビットコイン現物投資型ＥＴＦの上場と取引を承認したとはいえ、われわれはビットコインを是認したり推奨したりしてはいない。仮想通貨に価値が連動する商品やビットコインに関わる無数のリスクについて、投資家は慎重であり続けるべきだ」
出典：ブルームバーグ

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元一般企業会社員。現在はトレーダー兼ライター。
株式やFX、仮想通貨デリバティブ、草コイン、ノード運用と色々やっています。