米VC「a16z」、ブロックチェーン最新動向レポートと新ツールを公開

目次

ブロックチェーン技術の進化や採用状況を分析

米大手ベンチャーキャピタル企業「a16z」(正式にはAndreessen Horowitz:アンドリーセン・ホロウィッツ)のブロックチェーン部門は11日、ブロックチェーン技術の進展やその採用状況、開発状況についてまとめたレポート「2023 State of Crypto Report」を公開した。

State of Crypto Reportはa16zの仮想通貨・ブロックチェーン部門が発行するアニュアルレポートで、目先の価格動向に留まらず、基礎となるテクノロジーのトレンドを追ったものである。2022年が初の試みとなり、今年で2年目だ。

レポートでは、ブロックチェーン技術の進化やデジタル通貨の普及、規制環境の変化など、より具体的なブロックチェーン技術の展開についてまとめられている。

a16z「価格とイノベーションのサイクルは好調に推移している」

重要なポイントは以下の通りである。

  • 先月のアクティブアドレス(トランザクションの発行や受け取りを行なっているアドレス))は史上最高の1,500万を記録し、過去2年間で倍増するほどの活発な動きとなっている。NFTゲームなど新しい関わり方を提供するアプリやサービスが増えたことも要因の1つだ。
  • DeFiとNFTの活動も再び活発になっている。有望な新しい用途やアプリケーションの出現が期待されている。分散型取引所でも先月1,000億ドル以上の取引が行われ、3カ月連続で取引高がプラス成長している。
  • 仮想通貨業界のアクティブな開発者の数も安定して増加している。2020年の強気相場に引き寄せられた開発者は定着し、先月は約3万人の開発者が仮想通貨プロジェクトにコミットした。過去3年間で60%以上の増加があった。
  • 多くのプロジェクトがブロックチェーンの拡張に取り組んでいる。数十年来の研究が驚異的なペースで進み、特に「ゼロ知識証明(zero-knowledge proof)」におけるテクノロジーの進歩が著しい。プライバシー保護アプリケーションなどの新カテゴリーを中心として、ブロックチェーンのさらなるスケーラビリティが期待されている。
  • 米国を拠点とするクリプト開発者の割合は世界のその他の地域と比較して26%減少した。熟慮の上の規制が必要とされる状況にある。
  • 長期的に見ると、価格と開発活動の好循環が確認される。価格が上昇するとより多くの人々が興味を持ち、スタートアップやプロジェクト開発を前進させる。この「価格とイノベーションのサイクル」が確認されているため、ブロックチェーンの進展は着実に続いていると考えられる。

PDFレポート要点の解説で視覚的に説明されているので、ぜひ一読されたい。

a16z、仮想通貨の価値を見える化するツール「The State of Crypto Index」を提供

またa16zは同レポートと共に「The State of Crypto Index(仮想通貨インデックス)」ツールを発表した。

同ツールは、仮想通貨市場の健全な発展を判断するための調査ツールとなっている。価格変動ではなく、技術的あるいは採用の観点から業界の状態を分析できる。具体的には、仮想通貨プロジェクトの成熟度、開発者の活動、コミュニティの規模、検証済みのスマートコントラクトの数から取引ウォレットの数など、様々なデータをもとに視覚的に確認する。

各要素をひとまとめにした「The State of Crypto Index」が以下のグラフ。

The State of Crypto Indexのチャート

BTCUSDのチャート(提供)が以下の通りである。

記事執筆時(2023/04/12)現在の、2つのチャートを併せて比較してみる。

ビットコインとThe State of Crypto Indexの比較画像

2つの動きには相関が見られることがわかる。また状況によっては「The State of Crypto Index」が先行する動き、逆にBTC価格が先行する動きも見られそうだ。

もちろん未来は分からない。このインデックスだけで取引判断は難しいかもしれないが、「仮想通貨の価値を価格以外から推し量る」というアプローチは筋が通っている。「The State of Crypto Index」、トレードの判断に取り入れてみてはいかがだろうか。

参考文献

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この記事を書いた人

FXをメインにトレード歴1年。1日15時間チャート画面と向き合う生活を1年続け、相場のフラクタルな世界に魅了される。仮想通貨は主にCFD、テクニカルメインで行う。

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