目次
スマートコントラクトとは
ブロックチェーン技術を語る上で切っても切れない関係なのが『スマートコントラクト』と呼ばれる仕組みです。
スマートコントラクトとは、ブロックチェーン技術上のシステムであり、最初に設定されたルールに従って取引や情報をもとに実行されるプログラムです。
スマートコントラクトの「スマート」は「賢い」や「細い」という意味ではなく、「自動的に実行される」という意味です。
そもそも、所定のルールに則って自動で実行されるプログラムというのは特別新しい物ではありません。
よく自動販売機を例にして例えられますが、自動販売機は「買いたい人が」「お金を入れて」「商品を選び」「機械」が「自動で」「商品を払い出す」という一定のルールに則って自動で実行されます。
自動販売機は初歩的な例かもしれませんが、デジタル資産等にも適用される可能性は実は30年近く前から囁かれていました。
スマートコントラクトのメリット
スマートコントラクトにはたくさんのメリットが存在します。
- 信頼性が非常に高い
- 透明性が非常に高い
- コスト削減効果がある
信頼性
まず第一に『信頼性』です。一般的な取引所等では通常の契約や取引はその取引所等の運営者を信頼して運営者が仲介して行いますが、スマートコントラクトはそもそもの仲介者が必要無いのです。
最初にきちんとルールを定めておけば、その条件が満たされれば必ずプログラムは実行されます。そういった問題以前でもブロックチェーン技術自体が、あらゆる面で他人から監視されており、不正や改ざん等がほぼ不可能であり、スマートコントラクトでなくともセキュリティのレベルは相当に高いと言えるでしょう。
透明性
次のメリットは『透明性』です。先ほど少しだけ触れましたが、スマートコントラクトにプログラムされている内容やスマートコントラクトを使って実行された取引の記録は全てブロックチェーン上に保管されており、誰でも閲覧できます。
なので、不正や改ざんが仮に行われたとしてもマイニングを行う人(マイナー)を始めとした他人がすぐに気づき修正するでしょう。
コスト削減効果
スマートコントラクトによるメリットはまだあります。『コスト削減効果』です。通常の取引所の場合、仮想通貨をトレードする場合は送金手数料とは別に取引所に支払う手数料も発生します。
スマートコントラクトではそもそもの仲介者が不在のため、そこに発生する手数料は無いのです。更に仲介者が間に入って無い分手続きに要する時間の短縮も望めます。
こういったメリットは全てブロックチェーン技術と深い関係性があります。
スマートコントラクトの活用例
スマートコントラクトの活用例として自律分散型組織(DAO)があります。DAOとは「Decentralized Autonomous Organization」の頭文字を取ったもので、所定のルールに従って活動を行い、人が居なくても自動化された運営が可能です。普通の組織はリーダーが居て、リーダーが意思決定を行い、スタッフがそれに伴って必要なタスクを処理するのが一般的な組織だと思いますが、DAOはその常識を覆しました。
こう説明すると難しく感じるかもしれませんが、ビットコインに代表される仮想通貨はほぼ全てDAOです。予めルールを定める人は存在しますが、それ以降はプログラムが勝手に運営しているのです。
他にも分散型金融(DeFi)や分散型取引所(DEX)もDAOの活用例の一つです。
これもう見た?分散型金融DeFi(ディーファイ)とは?初心者にもわかりやすく解説
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スマートコントラクト、DAOのデメリット
ここまでの説明でスマートコントラクトやDAOについて述べてきました。ではデメリットはあるのでしょうか。解説します。
スマートコントラクト、DAOは透明かつ公正で、それでまた効率的でもあります。
これは未来の世界のように思えますが課題もまた山積しています。
破られないセキュリティは存在しない
まず最初に、一度配置したスマートコントラクトは例え重大なバグや欠陥があったとしても変更は容易ではありません。いくらブロックチェーン技術が高いセキュリティを誇るとはいえ、絶対に破られないセキュリティはいまだかつて存在していません。「破りにくい」というだけです。
これにより、スマートコントラクトやブロックチェーン技術に限りませんが、ハッキング等の犯罪は必ずあります。特にスマートコントラクトでは大きな額の取引を行うこともあり、ハッキング被害が必然的に大きくなるのです。
法律が追い付いていない
DAOやブロックチェーン技術、スマートコントラクトは現実世界の法律や規制が追い付いていないのが現状です。
DAOにおいても、法人として法的地位を持たない場合、法律上では「合名会社」として扱われ、もしそのDAOが何らかの損害を出した場合、そのDAOの推進者は無限責任を負う可能性があります。
また、ブロックチェーンやスマートコントラクトは世界中どこに居てもネット環境と端末さえあればアクセスできますが、世界各国で法律が違うため、極端な例では、とある国では仮想通貨の売買自体が賭博行為に抵触するかもしれないという国まであります。
よくある質問【Q&A】
- スマートコントラクトの活用例は?
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分散型金融(DeFi)や分散型取引所(DEX)もDAOの活用例の一つです。
株主総会の議決権や不動産業界の各種契約書類にも活用できると注目されています。
- スマートコントラクトとイーサリアムは何の関係がありますか?
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スマートコントラクトの条件として、イーサリアムのようなブロックチェーン上のコードとして実行されます。
スマートコントラクトはイーサリアムのようなブロックチェーン上で実行されるため、安全性、信頼性、そしてボーダレスなアクセシビリティを提供します。
- 仮想通貨のスマートコントラクトのメリットは?
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スマートコントラクトによるメリットは『コスト削減効果』です。通常の取引所の場合、仮想通貨をトレードする場合は送金手数料とは別に取引所に支払う手数料も発生します。
スマートコントラクトではそもそもの仲介者が不在のため、そこに発生する手数料は無いのです。更に仲介者が間に入って無い分手続きに要する時間の短縮も望めます。
こういったメリットは全てブロックチェーン技術と深い関係性があります。
まとめ
ここまで、スマートコントラクトについて述べてきました。
スマートコントラクトはブロックチェーン技術、とりわけイーサリアムのプラットフォームで特に親和性が高い新しい技術です。構想自体は30年以上前からありましたが、近年は実用レベルで多数のスマートコントラクトが活躍しています。
また、スマートコントラクトの活用事例で一番身近なのがDAOと呼ばれる自律分散型組織で、その最たる物がビットコインに代表される仮想通貨です。
ただ、仮想通貨を始めとしたブロックチェーン技術は進化が著しく、まだ法律が追い付いていない状況でもあります。
スマートコントラクトのメリット・デメリットをきちんと理解し、利用する人も開発する人も皆さんが幸せになれるよう心から祈りつつ筆を置きます。
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