破産した米マイニング企業「コア」、ナスダックへ再上場|破産から完全脱却

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1年以上にわたる会社再建に終止符、設備増強計画も明らかに

破産した米マイニング企業「Core Scientific(コア・サイエンティフィック)」は24日、米国破産法第11条(チャプターイレブン)に基づく会社更生が無事完了し、ナスダックに上場する予定であることを明らかにした。

Core Scientific が第 11 章から正式に脱却したことを発表できることを嬉しく思います。

2017年に創業されたコア・サイエンティフィックはかつて、世界最大級のマイニング企業がであったがビットコイン価格の下落や過剰な設備投資、エネルギーコスト増加などの影響で収益性が悪化し、2022年12月にチャプターイレブンを申請した。

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申請後はマイニング事業を継続し、収益を債務返済に充てていた。2023年には合計13,762BTC(約857億円相当)を自己マイニングでで掘り当てた。このほかコロケーション・マイナーが掘り当てた5,512BTC(約348億円相当)からの手数料収益(金額非公開)もある。

チャプターイレブンとは

再建型の企業倒産処理を規定した米連邦破産法の第11条のこと。日本の民事再生法に類似し、旧経営陣が引き続き経営しながら負債の削減など企業再建を行うことができる。

経営陣は、申請から120日以内に再建計画を提出し、債権者の過半数かつ債権額の3分の2以上の債権者の同意を得て裁判所の認可を得ることが必要。

これに対し、連邦破産法で事業を終了し、会社清算の手続きを規定している条項は、第7条であることから、清算型の倒産処理はチャプターセブン(Chapter7)と言われる。

出典:野村証券

プレスリリースによると、チャプター11から脱却し、24日付けでナスダック普通株式、第1および第2トランシェワラントを上場する予定だ。

同社は会社更生計画で、設備貸し手と転換社債保有者の負債を株式に交換することで、負債を4億ドル(約591億円)削減できたという。今後は残りの転換社債の転換、ワラントの行使、現金による債務返済を通じ、過剰債務の削減をさらに進めるとした。

また、同社は同時に設備を増強する計画も明らかにした。現在約27,000台の「Bitmain S19 XP」の導入作業が進められており、2024年半ばまでにはさらに高性能な「Bitmain S21」を約12,000台導入する計画だ。

また、同社は昨年12月末時点で合計23.2エクサハッシュのマイニング能力を有するが、テキサス州にある2つのデータセンターを整備し、今後4年間でマイニング能力を50%以上増やす予定だ。

コア・サイエンティフィックのCEO アダム・サリバン氏は、プレスリリースで次のように述べた。

「今週は、私たちにとって重要な一歩を踏み出したことを意味します。組織再編の過程を通じて、当社は北米で最大かつ最も重要なビットコイン・マイナーの1社としての地位を維持してきました。」

「現在、バランスシートのデレバレッジの道筋ができ、十分な流動性と比類のないチームを擁する当社は、現実的な成長計画を実行し、来るべき半減期に備え続け、エネルギーをビットコインマイニングやその他の潜在的なアプリケーションのための高価値のコンピュートへと変換することで価値を創造する態勢を整えています。」

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参考文献

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