仮想通貨取引を初めて行う初心者にとって、「失敗するかも…」と不安になる方がほとんどではないでしょうか。どうすれば失敗を避けられるのか、事前にリスクを知っておくことで、失敗を防ぐことは可能です。

本記事では、仮想通貨取引に関するアンケート結果から、初心者によくある失敗や気を付けておきたい注意点、失敗を回避する対処法などをまとめました。

仮想通貨取引の調査結果サマリー

調査概要：仮想通貨取引に関する調査
調査期間：2024年7月25日～7月26日
調査機関：自社調査
調査方法：インターネット調査
調査対象：20～60代の男女
調査人数：200人（男性131人・女性69人）

今回の調査はインターネットで行われ、200人を対象に実施されました。年代は30代と40代が多く、その次に20代という順番です。性別は男性の方が多く、男性の30代や40代を中心に仮想通貨取引に興味を持つ方が多かったと言えます。

一方、50代以上の方も全体の1割程度いるなど、仮想通貨取引に対する興味は全世代にあると言えるでしょう。

裏を返せば、どの世代の人も失敗の可能性は高く、仮想通貨への投資を初めて行う初心者は、しっかりとリスクを理解して始める必要があります。

仮想通貨に興味を持ったきっかけ

仮想通貨に興味をもったきっかけを尋ねたところ、最も多かったのは「インターネットやSNSの情報」で66票、その次に「知人や友人の紹介」の55票、「投資に興味があったから」の52票が続きました。この3つの回答だけで全体の9割近くを占めています。

近年問題になっているSNSでの投資詐欺のトラブルでは、AIで不正に作られた有名人やインフルエンサーなどの合成画像が用いられています。これに関連するきっかけとも言える「有名人やインフルエンサーの推奨」は3票、「広告やプロモーション」は4票と全体の数％を占めている状況です。

初めての仮想通貨購入を決めた理由

初めての仮想通貨購入を決めた理由としては、「将来の成長性を感じたから」が78票と多く、「知人や友人に勧められたから」と「資産の分散投資の一環として」が32票で並びました。ビットコインやイーサリアムなど価格の上昇が続いていることも、将来の成長性を感じる要素と言えます。また、仮想通貨は普段の買い物で決済に使えるなど、さまざまな目的で利用できるのもポイントです。

ここでも「インフルエンサーの推奨」が6票入っており、有名人に薦められるような形で仮想通貨を購入した方がいます。

初めて購入した仮想通貨の銘柄

初めて購入した仮想通貨の銘柄では、圧倒的にビットコインが多く、実に157票と8割ほどの支持を集めました。次にイーサリアムで20票、リップル13票と続き、この3つの仮想通貨だけで95％を占めています。

仮想通貨として報道されるのは主にビットコインが多く、価格の上昇や暴落など話題にしやすい部分も背景にあると思われます。

仮想通貨取引を始める前に最も不安だった点

仮想通貨取引を始める前に最も不安だった点という質問では、価格の変動が89票、セキュリティが40票、騙されるリスクが25票と続きました。仮想通貨の価格変動は株式市場やドルなど法定通貨を扱う為替相場の比ではなく、びっくりするような動きをみせるのが特徴的です。

他の回答では技術的な理解不足が23票、取引所の信頼性が15票と続きました。取引所の信頼性に関しては過去にハッカーがハッキングを行い、仮想通貨を取引所から盗む事件が起きており、その事件を覚えている人は不安視するのも無理はありません。

業者によっては不正流出したものを全額保証をするケースもありますが、全ての取引所で行うとは限らないでしょう。

仮想通貨取引を始める際に参考にした情報源

仮想通貨取引を始める際に参考にした情報源として、意外にも「YouTube動画」が最も多く52票を集めたほか、仮想通貨専門サイトが41票、XやインスタグラムなどのSNSが40票と続きました。その次が知人や友人の意見で31票、ニュースサイトやブログは25票、書籍や雑誌はわずか4票でした。

ビットコインの購入に限らず、投資をする際にはそれなりの情報を得た上で判断をしていくことが大切ですが、YouTube動画などが情報源として妥当かどうかは微妙なところです。

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仮想通貨取引を始めた際の初期投資額

仮想通貨取引を始めた際の初期投資額は1万円未満が最も多く78票、その次が1万円～5万円で54票、3番目が5万円～10万円で29票と続きました。最初に仮想通貨の購入に使った費用として10万円以下に抑えた割合は全体の75％です。

それでも、50万円以上費やした人も存在し、100万円以上の購入を行った方も3人いました。仮想通貨、特にビットコインはすぐに何万円、何十万円と動いていくため、わずか1日で100万円が大きく増えたり目減りしたりすることも十分に考えられます。

仮想通貨取引所を選ぶ際に重視したポイント

仮想通貨取引所を選ぶ際に重視したポイントとして、使いやすさと答えた人が83票、手数料の低さが40票、セキュリティが28票でした。仮想通貨を購入する際に売買のしやすさや扱いやすさを気にする人が多かったと言えるでしょう。

他には取引所の評判やレビューと回答した人が23票、プロモーションやキャンペーンと答えた人が14票と続きます。手軽さ・コスト面・セキュリティ面のいずれかに着目して選んだ人が大半を占めています。

仮想通貨取引所を利用してみて感じたメリット

仮想通貨取引所を利用してみて感じたメリットとして、取引が簡単にできると答えた人が134票と圧倒的で、2位以下に大差をつけました。取引所を選ぶ際に重視したポイントで、使いやすさと答えた人が83票だったことを考えると、使いやすさを重視する考え方は間違いではないことが言えます。

ちなみに2位以下は、モバイルアプリの使いやすさが17票、セキュリティがしっかりしているが14票、プロモーションやキャンペーンが豊富が11票、取引量が多いが10票と続いています。

仮想通貨取引を始めた後に感じた最も大きな気づき

仮想通貨取引を始めた後に感じた最も大きな気づきという質問では、価格の変動性と答えた方が70票、感情に左右されない取引が28票、セキュリティの重要性と継続的な学習の必要性がそれぞれ25票と続きました。

激しい値動きを見せる仮想通貨を実際に体感し、激しく動くことやそれに対して冷静を保つことを実感した方が多くいることをうかがい知れます。

他の回答では分散投資の必要性は22票、自己責任の重要性は15票、最新の情報収集の重要性が13票とここでも一筋縄ではいかないところを痛感したと言えるでしょう。

仮想通貨取引の初心者へのアドバイス

仮想通貨取引の初心者へのアドバイスとしてさまざまなコメントが寄せられました。30代男性は、「仮想通貨の取引はまだまだ歴史が浅く、過去のデータで今後の仮想通貨の価格を予想するのは難しい。」と回答しています。

また、「良くも悪くも仮想通貨はまだまだギャンブル性の高い投資だと思う。税制的にも優遇されていない。」と仮想通貨への警戒心を示しつつも、「価格が上昇するときはとてつもない上がり方をする。資産の数パーセント保有なら資産分散になり、数十パーセント買うならそれは夢を買うことになると思う。」としています。

＜その他のコメント＞

キャンペーンでビットコインが〇円分もらえる、というところからスタートしました。最初は本当にその貰える分だけで、しばらく値動き等の様子を見たりして、少しづつ買い増ししていきました。やはり変動はするものなので、初心者は必ず余剰資金でやるのがポイントです。今はポイ活で貯めたポイントを仮装通貨に換金して購入できるものもあるので、そういうものから始めると安心だと思います。（30代・女性）

マイナーなアルトコインの価値が1週間で数十倍となることも珍しくはありませんが、ほとんどのアルトコインは価値が上がらずに低迷し続けるか、無価値に等しいくらい値が下がることが多いです。ですので、はじめの頃の何も分からないうちはビットコインかイーサリアムなどのメジャーなアルトコインの購入をおすすめします。（40代・男性）

自社株の持株会で株式投資を覚え、その後投資信託、社債などに投資を行っていました。同僚から「仮想通貨は投資の分散に良い」と言われ詳しく知らないで投資を始めましたが。FX以上の値動きが有り、投資と言うより賭け事の様に感じた時期も有りましたが、マイニングについて学んだことで仮想通貨の仕組みを理解して、投資が出来るようになりました。他の投資とは違い、価格は経済とは関係無く動くので取引所のセキュリティ（信頼性）が重用だと考えています。（40代・男性）

仮想通貨取引のよくある失敗事例

ここまで仮想通貨取引に関するアンケートをご紹介してきました。ここからは仮想通貨取引においてよくある失敗事例を解説します。

取引所と販売所の違いを理解していない

仮想通貨取引の際、取引所と販売所の違いをいまいち理解していない方がいます。取引所は仮想通貨を売る人・買う人を結びつける場であるのに対し、販売所は仮想通貨を販売する業者と売買を行う場です。

個人間で仮想通貨の売買を成立させるなら取引所、業者から仮想通貨を買いたい場合には販売所を利用することになります。

ちなみに仮想通貨はクレジットカードでの購入も可能ですが、主に海外の取引所で取り扱われており、国内の取引所では買えないところがほとんどです。

狼狽売りで利益を逃す

投資の世界には狼狽売りと呼ばれるものがあり、これで利益を逃すケースがあるので注意が必要です。

狼狽売りは相場が急落した際、急落の動きに対して狼狽し、急いで売ってしまう人が相次ぐことで、輪をかけて下がってしまう状態を指します。

損切りを検討している人は相当下落する前に売り抜けて安心したい思惑も手伝い、売り注文を出そうとします。結果的に売却を焦り、どんどん値が下がり、利益が吹き飛んでしまうのです。

確定申告を忘れる

一番気を付けるべきは、確定申告を忘れる失敗です。仮想通貨で20万円以上の利益を出すと確定申告が必要となるルールで、会社員が仮想通貨を購入した際に忘れることがあります。

もしも確定申告をしないでおくと、無申告などが発覚した際に脱税の罪に問われる可能性もあります。また、本税だけでなくペナルティとして重加算税を納めなければならなくなります。

仮想通貨を売ってお金を得た際には記録をつけたり、銀行口座に納税額分を確保したりするなどの対策が必要です。

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イナゴ買いで損失を被る

イナゴ買いは価格の値上がりが相当なところまでいった状態で購入することを指します。

イナゴが群がるように相場が盛り上がり、その動きを見て思わず買ってしまったものの、すぐに下落して損をするケースがあります。

一方で、ビットコインのように、「いつかは下がる」と思われ続けて値上がりを続けてきたこともあり、イナゴ買いがプラスに転じることもあるでしょう。

しかし、多くのケースではその後下落に転じやすくなるため、イナゴ買いはできる限り避けるのがおすすめです。

仮想通貨取引のリスクから身を守る注意点

仮想通貨取引にはさまざまなリスクがありますが、そのリスクから身を守る注意点が存在します。

知識をつけてから市場に参加する

まず大切なのは、仮想通貨に関する知識をつけてから市場に参加することです。

暗号通貨の種類やブロックチェーンの仕組みに関する基礎知識やスプレッド・レバレッジ・現物取引などのシステムを理解した上で参加することで、利益につながることもあります。

口座を作るにしても開設するタイミングによってキャンペーンを利用でき、よりお得に始められる可能性もあるでしょう。

また、入金の条件をクリアすることで得られるボーナスなど、手持ちの資金で最大限に投資を行う工夫が可能です。

他にも売却の検討をいつから始めるか、日本時間のいつぐらいに活発な動きを見せるかなど、注意すべき点がたくさんあります。

知識をつけつつ、投資家としての経験を重ねながら学んでいく形がおすすめです。

少額から投資を開始する

仮想通貨を購入する際は少額から始めるのも1つの選択肢と言えます。少ない金額でもレバレッジが大きければ、大きく動かせるので大金を用意しなくても大丈夫です。

金融庁ではレバレッジの規制を行うなど国内ではレバレッジの効果が小さいですが、海外では最大レバレッジが100倍以上のところが多くあります。

レバレッジが大きいところでトレードをするには、事前に知識をつけてチャンスを伺うようにしましょう。

セキュリティ対策を強化する

仮想通貨を購入する時点で、セキュリティ対策を強化しておくことも重要です。

例えば、仮想通貨はウォレットで管理をしますが、ウォレットのID・パスワードの設定も第三者から特定されないものにするのが第一です。設定した後も定期的に変更するほか、2段階認証なども検討しましょう。

一方で、海外取引所は本人確認なしでも利用できるなど、比較的自由な環境です。国内・海外に関係なく、セキュリティ対策を万全にしておけばリスクを十分に避けられます。

信頼できる取引所を選ぶ

信頼できる取引所を選ぶことがリスク回避につながります。セキュリティ対策が万全で、取引がしやすいところであれば利用する価値は十分にあるでしょう。

他にも送金手数料が安いなど、色々な観点から信頼できる取引所を選んでいくのがおすすめです。複数の取引所の中から総合的に判断していくと、後悔のない選択ができます。

国内で探す場合には、金融庁から認定を受けた暗号資産交換業者かどうかが1つの目安です。

仮想通貨取引の初心者におすすめの戦略

最後に、仮想通貨の初心者がぜひとも知っておきたいおすすめの戦略について解説します。

長期保有戦略

長期保有戦略は値動きに狼狽せず、長期的に保有して運用を行っていくやり方です。

仮想通貨を購入後、一切売らずに長く持ち続けることを「ガチホ」と呼び、場合によっては5年10年、さらにそれ以上持ち続けることになります。

10年後、20年後には今より何倍もの時価総額になると分析をすることで、一時的にマイナスを抱えても我慢して持ち続けられます。

忍耐と覚悟が必要であるものの、一喜一憂をしなくて済むため、おすすめです。

ドルコスト平均法

ドルコスト平均法は仮想通貨に限らず、投資に活用できる一般的な戦略の1つです。

決まったタイミングで同じ額を買い続けて積立を行うことで購入額が平準化され、結果としてリターンがよくなります。

購入タイミングは月初・月末、給料日などさまざまで、好きなタイミングを選べます。

チャートがわからなくても買えるので、初心者にお勧めのやり方です。

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ポートフォリオの分散

複数の仮想通貨を購入して、ポートフォリオの分散を行うのもおすすめです。激しい値動きになりやすいものを購入しつつも、安定した仮想通貨を多めに買っておくことで安定した運用につながります。

1つの仮想通貨だけを買えば、万が一その仮想通貨が激しく下落すれば、保有資産も同じように下落します。

仮想通貨の動きで影響を受けすぎないためには、ポートフォリオの分散をしましょう。

まとめ

仮想通貨はスマホでも購入できるほか、簡単な手続きで始められるなど、手軽さが魅力と言えます。特にビットコインに関しては早々と大手企業が参入するなど、その期待感は日に日に高まっています。

仮想通貨取引における初心者の失敗は、知識不足や無計画な行動に起因する傾向にあります。

本記事で紹介した失敗事例やリスク回避の方法を参考にしてリスクを最小限に抑え、成功への一歩を踏み出しましょう。